もう元に戻れない(買い占め騒動に対する愚痴と哀しみ)。

便利なものに慣れてしまうと、もう元には戻れなくなる――よくあることだ。例えばスイッチひとつでいくらでも火を点けられる今日、無人島に漂着でもしない限り掌にマメを作りながら火を起こそうとは誰も思わない。いや漂着したとしても、ポケットにライターくらい入っていそうなものだ。

哀しい話

今回のコロナウィルス騒ぎで、根拠のない情報を訳も解らず鵜呑みにした身勝手で残念な人たちは「自分さえ良ければ」と社会への迷惑など顧みず日用品を買い占めに走った。

マスクが品薄になるのはまだ理解できる。しかし近隣のドラッグストアやスーパーマーケットではティッシュやトイレットペーパーからおむつ・生理用品に至るまで、いわゆる「紙でできていそうな商品」の棚が文字通り空っぽになった。キッチンペーパーまで無くなっていた。この光景を最初に目にしたときは本当に呆れて空いた口が塞がらなかった。思わず写真を撮ってイノに送信したくらいだ。



ちょうどその頃、インターネット上である種のコメントをいくつか見かけたことがある。要約すると

  • (頭が)悪いのは、デマに踊らされて真っ先に買い占めに走った身勝手な人
  • 上手く難を逃れたのは、買い占めは良くないと思いつつも慌てて必要分プラスアルファを確保した人
  • 損をした(困った)のは、買い占めなんてする必要はない・するべきではないと普段通りに生活していたら必要なものが買えなくなってしまった人

といった論調だ。もちろん「転売目的で大量購入した(挙げ句、転売に失敗した)人は論外」というのが大前提ではある。

あくまで一部の人のコメントであってこれが社会の現実ということではないけれど、なんだかとても哀しい話である。そしてウサギ家は危うく3番目に当てはまるところだった。イノのご実家や周囲の人たちの協力もあって、結果的にマスクや日用品に困窮するような状況にはならなかったけれど、本当に迷惑な話だし、馬鹿げている。滑稽でさえある。我先にと買い占めた人たちは長期に渡って自宅に籠城でもするつもりなのだろうか?

そして個人的には、最初にデマを流した人物をきっちり特定して「社会的混乱を煽った」とか「テロに準ずる行為」とかで刑事罰に問うべきだと、わりと真剣に思う。



おむつの話

それはさておき、僕は今「履かせるパンツタイプのおむつ」がとても恋しい――冒頭の「もう元には戻れなくなる」はコレだ。店頭からおむつが消えた頃、ウリボウが使えるサイズでなんとか入手できたものは全てテープタイプのおむつだった。銘柄のチョイスなんてもちろんできるわけがない。

ウリボウが生まれてから半年くらいはテープタイプのおむつを使っていたし、イノも僕もそれなりに慣れてもいた。キレイにおむつを着けてあげられるという自負もあった。その当時、僕はむしろ「パンツタイプはなんとなく不安」と考えていたくらいだ。

ところが、何かのきっかけでパンツタイプのおむつを試して以来、この考えは180°変わることになった。最初こそ上手く履かせるのに手間取ったものの、少し慣れてしまうと圧倒的に便利なことに気づかされたのだ。以来、ウリボウのおむつはパンツタイプ一辺倒。おむつを卒業するまでテープタイプを使うことはもうないだろうと思っていた。

そこへ今回の買い占め騒動である。久しぶりに扱うテープタイプのおむつに、イノとふたりして思わず声を上げてしまった。「テープタイプってどうやって着けてたっけ?」と。そして「パンツタイプめっちゃ楽だったね」と。

そんなわけで、僕は今「履かせるパンツタイプのおむつ」がとても恋しい。開封してしまった分のテープタイプを使い切ったらパンツタイプに戻そうと心に決めている。

……というわけで、今後また社会を同じような不安が覆うことがあったとしても、日用品の買い占めは本当にもうやめましょうね。