ハガタメ・ストーン。

ウリボウがこの世に誕生して、もうすぐ100日。数日後にお食い初めを控え、イノと当日の段取りをなんとなく話していたときのこと。献立やお膳などについて改めて調べるともなく検索していると「歯固めの石」なるものが必要なことを知った。

確認が遅いと自分たちを戒めながらも、今は便利な世の中だ。40数年間その存在すら知らなかった「歯固めの石」もちゃんと商品化されているし、ものによっては翌日には手元に届く。価格は500円程度から、あとはピンキリといったところか。まぁ当日に間に合わないということもあるまい。

……いや、ちょっと待て。

これ、石だよね? 安いとはいえ、ただの石に500円も1,000円も払うのってなんだか腑に落ちない。ましてやAmazonで購入する石に、由緒やら霊験やらを望むべくもない。その辺の河原で良さそうな石を拾ってくる方がまだ健全な気がする。

ハガタメ・ストーン

考えた末、近所の八幡さまの境内から石をお借りすることにした。普段から散歩がてらお詣りしている八幡さまだ。きっと快く貸してくださるに違いない。

いつものように手を合わせてから、失礼して境内の地面をふたりでまさぐる。無事にそれらしい石を見つけ、お礼を言って持ち帰った。石は実際に口に含むわけではないけれど、お膳に載せ、形ばかりとはいえ箸をつける石だ。何度も念入りに洗ってからキッチンハイターとアルコールスプレーで除菌・消毒した。

その後、お食い初めで「歯固めの石」としての役目を無事に果たしてくれた石はきちんと八幡さまの境内にお返しし、家族3人で改めて手を合わせてお礼を言ったのでした。