熱収縮チューブでLightningケーブルを補強してみた。

iPhoneユーザーの多くが頭を抱えているであろう問題、それは「純正Lightningケーブルのコネクタ付近がすぐボロボロになってしまう」ことではないだろうか。かくいうウサギ家でも歴代のケーブルがこの被害に遭っていて、対策として細いコイルスプリング(ノック式ボールペンの中に入っているバネ)で補強をしているけれど、見た目や使い勝手など、残念ながらパーフェクトな解決策だという実感はない。

そこで、以前から気になっていた熱収縮チューブによる補強を試してみることにした。「被膜が剥がれたケーブルの修理」ではなく、「きれいな状態のケーブル被膜が破れないための補強」である。想像通りに上手くシュリンクすれば、結構美しい仕上がりになるのではないだろうか。

――果たして、残念ながらそう簡単に事は運ばなかった。これはその作業の一部始終である。同じような作業をしようとしている方は、ぜひ参考にされたい。



熱収縮チューブの仕様

シュリンク前のチューブとコネクタのマスキング

  • PE(ポリオフィレン)製
  • 白色
  • Φ6mm
  • 収縮温度70 – 120℃
  • 収縮率50%

今回はこんな仕様のチューブ(特に具体的な品名は秘す)を50mm程度にカットして使用した。Apple純正のLightningコネクタを通すためには、Φ6mmはジャストサイズ。写真はシュリンク前のチューブを通した状態である。念のためケーブルのコネクタ部分をマスキングしてから作業をスタートした。

#01 ドライヤーで温めてみる

購入ページの説明には

家庭用ドライヤーでも収縮可能ですが、ヒートガン等をご利用頂くと便利です。

とある。さすがにこのためだけにヒートガンを購入する気はないので、ヘアドライヤーで加熱するつもりで購入した。

鼻歌混じりでのんびり熱風を当ててみるものの、一向に収縮する気配が見られない。使用したドライヤーは国内メーカー製の1,200Wのものだ。髪を傷めないためのなんとかイオンも出ているらしいが、多分ここではあまり関係ないはず。

ドライヤーを思いっきり近づけてみても全く収縮しなかった。きっと温度が足りていないのだ――さて、どうしよう。

#02 ライターで加熱してみる

チューブの購入にあたって少し調べた時、ライターの炎で加熱するという情報を目にしている。正直なところ成功する気は全くしないが、ヘアドライヤーが温度不足だったのであればトライする価値もゼロではなさそうだ。

とはいえケーブルをいきなり直火にさらすのは気が引けたので、試しにチューブだけでテストしてみたところ、均等に加熱されないためか収縮にムラがありでこぼこになってしまう。そして案の定、すすで黒くなった。ケーブルに合わせて白いチューブを購入したというのに、これでは台無しだ。



#03 熱湯で加熱してみる

改めて熱収縮チューブについて調べてみると、ヒートガン以外の加熱方法についての情報が他にもあった。なかでも現実的と思われたのが「熱湯をかける」というものだ。火で炙ったりお湯をかけたり、想定外のハードな展開である。

ウチのケトル(BALMUDA)は沸騰を感知するとスイッチが切れる仕様なので、恐らく100℃弱の熱湯で加熱することになる。チューブの製品仕様を信用するならば(すでにあまり信用してないけれど)悪くない温度のはずだ。

シュリンク後の仕上がり

熱湯をかけてみると、きゅきゅっと控えめにシュリンクした。これは行けそうだ。ケーブルにお湯をかけるという根本的な不安には目をつむりながら、焦らず丁寧に加熱を繰り返すと、なんとか当初の想像に近い仕上がりになった。ケーブルとチューブの間にどうしても水分が入り込むので、地道に手作業で除去した。

#04 作業後に気になったこと

こんな紆余曲折を経て、ようやく作業完了。当初イメージしていた理想の仕上がりと比べるならば、満足度70%といったところだろうか。

作業後、いくつか気になった点がある。

  • 収縮すると思ったより硬くなる
  • 思ったよりシュリンクしない(収縮率? 温度不足?)
  • チューブはきっちり直角にカットすべし
  • 長さは35 – 40mm程度が良さそう

収縮後のチューブの硬さが一番イメージと違っていたところだ。ケーブルの被膜と同じような柔軟性を期待していたけれど、残念ながらそうではなかった。チューブの素材とか厚さによるところかもしれない。

収縮率の問題は単純にここまでなのか、ヒートガン等のツールを使うことで解決されるのか試してみないと判らないけれど、少なくとも今回のやり方だと「ぴったりフィットして動かない」というところまではシュリンクしなかった。なのでコネクタを持ってチューブ部分を引っ張るとずれる。とはいえ、わざわざそうしなければ使っていてズルズルと動く程でもなさそうではある。

後ろふたつは見た目上の好みのということで。