ラディッシュの漬物。

紅白大根の漬物が好きだ。

5cm程度の小さな紅白大根を塩と昆布などで浅漬けにした、シンプルな漬物。これをパリパリと齧っていると、辛口の冷やが良く進む。

この漬物を初めて食べたのは20代の終わり頃、当時勤めていた会社の近くにあった割烹料理屋だった。ここの店主にはなんだか可愛がってもらい、生意気にも会社帰りによく通っていた。

日本酒を本当に「美味しい」と思うようになったのもこの店だ。そう考えると、今の食(と酒)の好みの一部はこの店で培われたと言っても過言ではない。自家製のあん肝がとても旨い店だった。今さらながら考えてみれば、この店以外でわざわざ紅白大根を旨いと思ったことがない気がする。



さて、漬物。

実は先日、例の直売所でラディッシュを見つけ、珍しく買ってみた。普段ならよほどの理由がない限り買わない野菜をなぜ買ったのかというと、やや大ぶりながら少しだけ細長いラディッシュの見た目がちょっと紅白大根に似て見えたからだ。ふと懐かしさを覚えて、つい手が出た。

あの味が再現できないことは端から判っているが、なんとなく似て見える野菜を見つけたら、一寸の期待を胸に試してみたくなるというもの。早速、塩と昆布と煮干を使って浅漬けにした。丸のままだと上手く漬からなさそうなので、スライスして蕪の漬物の要領で試してみた。

ラディッシュの漬物

結果はもちろん別物だったが(そもそも別の野菜だ)、なかなか美味しく仕上がった。そのままでも旨いし、試しにオリーブオイルをひとたらししても旨かった。

もしまたラディッシュが手に入ることがあれば試してみようと思うけれど、わざわざ自発的には買わないだろうな、きっと。